ウィリアム・シェークスピアの古代史劇は、
他に〈ジュリアス・シーザー(ユリウス・カエサル)〉がある。
どちらも主人公の肖像を描くコインが存在しているが、
混乱の時代を背景にしているだけに、その希少性は極めて高い。
マルクス・アントニウスとクレオパトラ7世は2人が同じ面に描かれたケースは皆無だ。
すべて裏と表に別々に描かれている。ローマの植民地や属領で、
テトラドラクマ合金貨(低品位銀貨)や小型青銅貨(黄銅貨)が見出せる。
またエジプトのアレクサンドリア造幣所では、ローマの標準貨幣デナリウス銀貨が製造されている。
これらのコインではクレオパトラ7世の肖像を、マルクス・アントニウスと表裏で描いているが、
伝説ほど彼女が美人でなかったことが判る。
しかしながら2000年以上前の歴史的文化財を、
私たちが個人のコレクションに出来ること自体、福音だと考えるべきであろう。
他の文化財では考えられないことだからである。
それでもクレオパトラは、ローマの勇将たち――カエサルやアントニウスを籠絡した。
けれど最後にはオクタウィアヌス(のちのアウグストゥス)に対して、この試みは失敗に帰した。
アントニウスはローマ特有の短めの剣で自害、クレオパトラは毒蛇に自らを咬ませた。
このあたりの展開は、いかにもシェークスピア好みと言えるであろう。
コインはテトラドラクマ合金貨とデナリウス銀貨が、それこそ突出して高い評価を受けている。
デナリウス銀貨も製造時そのままのグレードのものは、アメリカのオークションで720万円以上の落札結果となった。
今後は小型青銅貨(黄銅貨)の価格に注目したい。
エジプトAE20青銅貨 クレオパトラ7世/マークアントニー 32-31 B.C. AU RARE
Coin-Expert オンラインショップにて販売中
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