イギリス(イングランド)グロート(4ペンス)銀貨
リチャード3世(1483―85)ロンドン造幣所
リチャード3世の肖像を描くコインは、その殆どが摩耗していたり破損したものが多く、これだけ円形を保ちしかも無疵であることは奇跡に近い。
50年以上コイン界を注目していて、初めて遭遇した逸品と言える。
裏面上部の9時から3時にかけてLON/DONと造幣所名が読める。
(旧NEW ENGLAND MUSEUM 収蔵品)
リチャード3世はプランタジネット家の支派ヨーク家出身のイングランド王でエドワード4世の弟だった。その没後に後継者となった甥のエドワード5世の摂政となるものの、王をロンドン塔に幽閉して即位した。バッキンガム公の叛乱を鎮圧したが、リッチモンド伯ヘンリー(のちのヘンリー7世)により爆破され敗死、プランタジネット家がここに断絶した。
その短いが波乱に富んだ治世は、ウィリアム・シェークスピアの〈リチャード3世〉
に描かれ、歴史に名を留めたのである。
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