このタイトルが何故「コインのグレード」でないかと言うと、
狙うべきグレードはそのコインごとに条件が違うからである。
近年の顕著な傾向は、MS至上主義だといえる。
すなわち[ミントステート]~未使用の何の段階かが決定的要素となっている。
ところがグレードいうものは、製造された年代によってアヴェレージが異なる。
クレオパトラ7世の肖像を描くコインは、普通品FINEあれば十分だ。
1600年以前のイギリスの大型銀貨も、やはりハンマー式で製造されていて、
FINEで満足すべきだろう。
つまり4半世紀(25年)とか半世紀に渡って一度も見ないような稀少品は、
それこそ出たと勝負と考えてよい。
そうしたケースで近代コインのようなハイ・グレードにこだわり、入手を躊躇したら、
もう2度と見る機会がないかもしれない。
ティロルの世界最初の完全年号入り大型銀貨--1486年のグルデングロッシェン銀貨なども、
やはりFINEで十分な1枚である。
こうしたタイプのMSクラスなどはまず1世紀に1度しか市場に出てこないし、
現存しないかもしれないのだ。
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