超高額紙幣ランキング
古くから紙幣は多額の決済手段として、貨幣だとかさ張り重くなる、という問題解決のため登場したと
考えてよい。私がよく挙げる例はフランス領インドシナの100ピアストル紙幣で、1925年以上前のタイプは
、ピアストル銀貨の100枚に相当した。これは2430gの純銀に相当するから、現在のグラム70円の銀価格か
ら考えると17万円ほどに相当している。
ところがこれに驚いてはいけない。紙幣の歴史にはとんでもない高額面タイプが、厳然と存在している
のだ。その多くは金本位制の下で発行された。そこでそれらを一定の基準――すなわち金地金価格で比較
してゆきたいと思う。ただし、金貨が発行されていないものは、銀価格や当時の実勢で考慮してみた。
第1位
【カナダの1918年と24年に発行された、5万ドル紙幣】
宗主国イギリスのジョージ5世夫妻を描く。これは当時のカナダの10ドル金貨5000枚に相当し、16.7185
gの量目から1枚が63,196円――すなわち3億1598万円ということになる。これがナンバー・ワンである。
金価格はグラム4200円で計算した。
第2位と第3位
【南アフリカの1920年の1万ポンド紙幣】
カナダの5万ドル紙幣に肉迫する。量目7.988gで金品位が1000分の900だから、1枚に30.0924gの
純金となり、126.388円の500倍で6319万4000円という勘定だ。
1934年に10万ドル紙幣が計画されたが、これは金の解禁と禁輸を繰り返した時代だけに、流通市場へ出
ずに終わった。この紙幣がもし世に出ていたとすれば、6億3194万円の価値となり、カナダの5万ドルを凌
ぐ第1位に躍り出たのであった。
第4位
【イギリス 1000ポンド紙幣 1855年】
イギリスで、1855年のクリミア戦争のさなか、1000ポンド紙幣が発行された。
これは1ポンド金貨が1000枚に相当し、1枚30765円――すなわち3076万5000円となる。
南アフリカでは1万ポンド紙幣まで登場したが、流石に本国ではそこまで発行しなかったようである。
これも南アフリカの1万ポンド紙幣と同様、面白味のない存在だ。
第5位
【マラヤ&英領ボルネオ】
1945年のジョージ6世、53年のエリザベス2世の肖像を描く、美しい色調で知られる1万ドル紙幣がラン
クされる。これは比較すべき金貨や銀貨がないが、当時のこの地域の物価指数から考え、500万円の価値は
あったと推測される。これまで緑刷(採用された刷色)の見本が、2度にわたり340万と360万円で落札され
た。青刷りも存在しており、稀少性が高い。いずれも見事な高額面紙幣と言える。
第6位
【インドの1万ルピー紙幣】
1938年から45年にかけて発行された。品位1000分の500の1ルピー銀貨が1万枚で、量目11.66gだから、
1万枚で58.300gとなり、408万円という好評価になった。マラヤ&英領ボルネオの1万ドル紙幣とは、どち
らを上位にしても良い存在である。
第7位
【ロシアの500ルーブル紙幣】
日露戦争敗北後から第1次世界大戦までのタイプで、これは25ルーブル金貨20枚に相当した。
この金貨はラテン貨幣同盟の標準――32.25gの量目を有し、243万8100円の評価となる。
第8位
【1877年からのノルウェーとスウェーデンの1000クローナ紙幣】
20クローナ―金貨50枚として考えると、169万3440円に相当した。
これは計算してみて初めて気づいたほどで、全く予想外の結果であった。前者は1877年から、後者は1874
年から、この高額面紙幣が登場したのだった。
第9位第10位
【スペインの1874年から1000ペセタ紙幣、イタリアの1897年からの1000リレ紙幣】
どちらも貨幣同盟の標準量目で貨幣発行が行われたため同じ結果となった。
121万9352円となり、辛うじてベストテンに食い込んでいる。
こうして考えてみると、現行紙幣はぐんと評価が落ちる。為替レートで計算してみると、シンガポール
の1973年に発行された1万ドル紙幣は、2013年10月末のレートで約80万円となり、最も高額面紙幣になった
。次いではブルネイの1989年の1万リンギット紙幣が32万円ほど、フィリピンの1万ピソ紙幣は25万円ほど
で、これらが最も目立った存在として知られる。
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