カール・フォン=クラウゼヴィッツといえば、中世から近世の戦術戦略の研究者で、
その著書<戦争論>VOM KRIEGEは、名著としてあまりにも有名である。
このフォン=クラウゼヴィッツが、稀代の戦略戦術家と評価したのが、イタリアのアレッサンドロ・ファルネーゼだった。
これはイタリアのピアチェンツァ公爵で、パルマ公のオッタヴィオの子と言われてきた。
しかしながら出生の経緯や成人後のスペインへの忠誠ぶりから、
当時のスペイン王カルロス1世(神聖ローマ皇帝 カール5世)の子、と考えるのが順当だと思われる。
スペイン領ネーデルランド〈現在のオランダ〉で叛乱が発生したとき、
ファルネーゼは軍司令官として鎮圧に出動、実に目覚ましい活躍ぶりを示した。
その用兵の妙はフォン=クラウゼヴィッツをして、「軍事的才能の持主」と評された。
ネーデルランド軍総司令官となり平定に成功後、彼はネーデルランド総督に任命され、
今度は行政官として能力をナニ分に発揮している。
やがてパルマに戻ると、教皇から枢機卿に任じられた。
アレッサンドロ・ファルネーゼの肖像を描いたコインは、1600年代入ってのスクド銀貨を、1601年から20年まで見出せる。
ところがこれは「死後発行」タイプであり、1592年までの生前のタイプも存在する。
これは滅多に見ることがない。
何しろ【文禄の役】があった年のコインだから、400年以上を経過している。
その歴史の重みを感じさせるファルネーゼ公の肖像は、勇将というイメージよりむしろ、
優れた行政官の方の印象が強い。
47年ほどの生涯だったが、思う存分暴れ回ったと考えてよい。
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