「あっと驚くイタリア王国の大型銀貨」

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インフレ2 伊5リレ銀貨ヴィットリヨエマヌエレ3世

 

イタリア 5リレ銀貨 1914年
ヴィットリヨ・エマヌエレ3世
27万枚以上発行されながら、既に100万円を超えた芸術味豊かな逸品
直径37mm 量目25g

 

イタリア王国はサルディニアが全土を統一して成立したが、1861年以前はサルディニア島に拠る小国だった。1816年に早くもラテン貨幣同盟の標準規格――大型銀貨が量目25グラムの5リレ銀貨を発行している。
王国成立直後の1861年の5リレ銀貨は、表情の険しいヴィットリヨ・エマヌエレ2世の肖像を描くが、グレードの良好のものは珍しくなった。肖像が小さくなったタイプや、次のウンベルト1世にも、特別な年号が存在する。
貨幣研究家のヴィットリヨ・エマヌエレ3世(1900-45)が即位した直後、1901年にとんでもない大珍品が出現したのである。それは国王の右肖像を描くタイプの5リレ銀貨で、わずか114枚だけ製造された。裏面の鷲の紋章は、2年後に金貨でも用いられるようになったが、何しろ見事なもので世界の近代コインの傑作中の傑作である。
この5リレ銀貨は稀少性も100リレ金貨より高いことから、評価も2倍以上の差が生じている。金貨が左肖像である以外は大きな違いがなく、鷲の紋章タイプの大型銀貨と大型金貨が揃うと、それこそ壮観極まりないコレクションと言えよう。
1911年の〈王国50年〉記念5リレ銀貨は平凡だが、14年の通常タイプの5リレ銀貨の稀少性は極端に高い。これは発行数が27万3000枚と多く、普通ならさして高い評価を受けないと思われる。表面に大礼服姿の国王を描くが、裏面のクァドリガ――4頭立2輪戦車はギリシア期シラクサの銀貨を彷彿とさせられる素晴らしさだ。
1911年の記念5リレ銀貨が発行数6万枚にもかかわらず、評価が5分の1以下だから、14年の5リレ銀貨の珍品化は七不思議と言えるだろう。01年の5リレ銀貨とともに、資産価値の大きな存在である。もちろん世界の名品の1枚と断言してよい。

2013.7.30|コインについて ヨーロッパ 地域コレクション 近代(ナポレオン以降)

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